耕作放棄地と自然農法

自然農法を始める畑は、土壌が自然に帰った状態だと理想

耕作放棄地の写真

耕して肥料を与えて除草して、必要に応じて農薬を使う…という一般的な畑のやり方を「慣行農法」というようですが、長年、慣行農法で野菜を作ってきた畑を、無理やり自然農法に切り替えようとしても、うまく行かないようです。

耕さないで自然の力を利用する自然農法は、慣行農法から急に切り替えると、土は固くなり野菜は育たず、草の生命力に負けたり虫が大量発生したりと、上手くいかない時期が何年も続くという体験談をよく目にします。

慣行農法でやってきた土壌は、化学肥料や農薬の成分が残っています。その「不自然な成分」を完全に取り除き、自然栽培ができるまでには何年も、最低でも3年、草が生えるに任せる必要があるようです。

そうやって何年も草を繰り返し生やしておくと、土の中の毒素が草に吸収されたり、微生物により解毒が進んだりして徐々に自然の状態の土地に戻るそうです。

何年もかけて土が自然に近づくにつれ、次第に生える草の種類も変わってくるので、草の種類を見て土の状態を確かめるのだそうです。

根が短い草、長い草、イネ科の草、マメ科の草、酸性の草やアルカリ性の草。例えばスギナ(つくし)の生える土地は酸性が強いというのは有名ですが、土の状態をよく観察して「戻っていく」のを見極めるのが大切だというわけです。

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では、手っ取り早く自然農法を始めるには、長年使われなくなった畑である「耕作放棄地」ですと、自然に帰った土になっている可能性が高いと言えるのでしょうか?

その土地が一体何年放棄されていたか(10年以上が理想的)や、放棄中も除草剤など化学薬品を撒いていなかったか、注意が必要です。

そもそも一般人が農地を手に入れるのは難しい

「農地法」のおかげで、たとえ放棄地でも地目が「畑」や「田」になっていたら、農家ではない私たちは直接所有者から「借りる」という方法しかありません。

所有者の知り合いなど心当たりもない場合は、自分で足を運んで直接聞いて回るか、ツテなどを頼るしかなさそうです。

「雑種地」を探すという手もありますが、畑など作れるような土地でない可能性があります。

理想の土地が見つかった場合も、今住んでいるところから遠い場合は、家も探して引っ越ししなきゃいけなさそうです。

自然農法への理解は道半ば

うまく農地が見つかって、自然農法にチャレンジしようとしても、草ぼうぼうだと周囲の理解は得られにくいのが現実です。

慣行農法とは真逆の理論なので、雑草や虫たちを味方につけるなどという話など、一蹴されるでしょう。

村社会が色濃く残っているような地域では、生活に支障がでることも想像できます。

コミュニティを作り、徐々に理解していただけるように活動を続けるのも大切でしょう。実際、各地に様々な自然農法の団体が存在します。

・・・こう書いていくと、ハードルが高い気がします。

ですが「何とか近い将来達成するぞ!」と、希望を持ち続けていようと思います。

古民家バンクのような、「耕作放棄地バンク」ができて、小規模から気楽に家庭農園規模で始められる仕組みができるといいですね。


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